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【現役医師解説】医者の勉強量.医学部合格から医者になってからの勉強量までを解説.

医者の勉強量 医学/医者関連

今回のブログ記事では以下のような疑問について現役医師が解説していきます.

●医者になるためにはどの程度の勉強量が必要?
●大学受験,医大生,医者になってからの勉強量などどれくらい?
●医者って一生勉強とも言われるけれど,本当?

私自身,医者になるまでの勉強量はすさまじかったです.医者になってからは興味のある分野を勉強していく形になります.

医者になるまでもだけでなく,医者になってからも,どれくらい勉強しているのか知りたい!!

簡単に結論を言うと,一生勉強することになるのは間違いないね!私自身の学生時代の経験時代を交えながら説明していくよ!

また勉強量や勉強に関しては自信があるけれど,不器用だから医学部(医者になっても)にいっても大丈夫?と不安に感じている方は下記も参考にしてみてください.

医者の勉強量.医学部合格から医者になってからの勉強量までを解説.

親子で勉強をする姿

『勉強』と聞いて好きだと答える方は少ないと考えます.

しかしながら,医者という職業はなるためにとてつもない勉強量をこなし,医者になってからも勉強を続けなければなりません.

大学入学のための試験,大学の試験,医師国家試験,専門医試験と試験にまみれた生活をしなければなりません.

したがって勉強量も試験の数に比例して多くなります.

医学部合格までの勉強量~小中高校生時代の勉強量~

医者になるためには,医学部医学科に合格しなければなりません.

こちらに合格するために,中学・高校時代のほとんどを勉強に費やす学生もいるぐらいです.

さらには高校3年生の受験で合格できなかった場合,『浪人生』となり次の1年で医学部医学科合格を目指す人もいます.

中学受験,高校受験,大学受験,そしてそれに失敗しもう一度大学受験をする,勉強にまみれた学生生活を過ごしています.

(中学受験をした場合は高校受験はない場合が多いです.)

自身の学生時代の勉強量:小中高校時代の勉強量

小学生時代は普通の公立の小学校に通い,外で遊びまわるような普通の小学生でした.中学校はというと,私自身は中学受験しませんでした.特に自分自身したいとも思っていませんでしたし,親からもしなさいといわれることがなかったからです.

それゆえ地元の公立中学に進学しました.

●小学生時代の勉強量●
そんなに勉強することはなく,友達と遊びまわっていた小学生時代.学校の授業を普通に聞いていただけ.中学受験はしたくもなかったし,親からも進められず.地元の公立中学へ進学.

中学時代になると,中学1,2年は塾に通いながら,試験前に詰め込んで勉強.中学3年生は塾に通いながら,塾で遅くまで自習して帰宅するような生活をしていました.

特に,高校受験受験する中学3年生の夏以降は週2-3日,塾に通い,22-23時まで勉強して帰る.そんな中学時代を送っていました.中学時代でも学校以外で1日3時間ぐらい勉強する日が2,3日ありました.

高校受験があるから,勉強するのは当たり前.

上記のように考えて,勉強していたように思います.ただ部活動もかなり力を入れていたため,部活動が終わるまでは,部活動が中心でした.

無事に高校受験を終え,晴れて高校生になっても,ここから本格的な勉強開始になります.

●中学生時代の勉強量●
中学1.2年は塾に通いながら,学校の試験の前には猛烈に詰め込み勉強する.
中学3年生は塾に通って勉強,さらに熟が終わっても22-23時くらいまで勉強して帰宅する.主に塾と塾の自習室で勉強するのが習慣になった.
ただ部活動が最優先事項だったため,部活動は中学3年間ずっと続けていた.

高校時代の勉強量を,ざっと説明すると学校の勉強量を除いた時間で,以下の勉強量をこなしていました.

  • 高校1年生で3時間/日
  • 高校2年生で4時間/日
  • 高校3年生で5時間/日

部活していたら,勉強する以外の時間なくない?

まさにその通りで,部活が終わって家に20時ごろに帰宅,その後,ご飯とお風呂をあわせて1時間休憩,その後は勉強.部活動がある時はそんな生活を繰り返していました.

高校3年生の時は,今思うと自分でも鬼畜で,部活から20時に帰宅して,風呂食事を終えると,夜中の2時まで勉強.4時間半睡眠で,朝6時半起床して朝練に向かう.この生活を常に繰り返していました.

さらに部活動がなくなった高校3年夏からは平日7時間,休日は10-12時間の勉強量をこなしました.ただやはり中学受験をしていなかったこと,部活動をぎりぎりまでしていたことが響き,高校3年生で合格することは叶いませんでした.(すいません,単に私自身の学力がなかっただけです.)

当然,学校で周りの友達のテレビを見た話,最近はやっているギャグなどの話などには全くついていけませんでした.

●高校時代の勉強量●
高校時代の勉強量はすさまじいもの.高1:3時間,高2:4時間,高3:5時間/日.高3の部活動が終わると帰宅後,平日7時間,休日10-12時間の勉強.とにかく,部活と食事の時間以外はほとんど勉強していた印象.ただやる気が出ず全くしない日ももちろんあり.

浪人生として,1年間勉強量を増やしました.浪人時代は予備校に22時まで毎日いる生活でした.

浪人時代はこの年で決める!って思いが高校生の時よりあったため,受験する大学が決まってからのラスト1か月は,1日14時間くらい勉強した記憶があります.

こちらで遂に国公立医学部に合格が叶いました.

★医学部合格までの勉強量のまとめ★
①中学受験:親が医者である場合は,中学受験をする人も多い.小学校時代から塾に通って週3日など勉強する人もいる.(中学受験している方が医学部合格には一般的には有利です.)

②高校受験:中学受験しない場合は,高校で進学校に進むため塾に通って勉強している中学生がほとんど.進学校を目指すための勉強量はこなす

③大学受験:医学部医学科に合格するために,高校時代の青春時間を全てささげる人もいるレベルに勉強している.1日最低3時間は勉強高校3年生になると,休日は10時間以上勉強していることは当たり前.ご飯だけ食べて,その他は勉強.なんて状況もあることはある.

高校がどこであるかは医学部に絶対に現役合格したい!という希望がなければ,あまり関係ないと思います.それよりも継続して勉強し続けられるかが重要です.

継続して勉強して,勉強量を稼ぎ,そのうち勉強の質も上がっていく.勉強量も質も押し上げ続けることが大切です.

社会人になってから再受験する人もいますので,その人たちは最初からかなり質の高い勉強をしているようにも思います.社会人から目指す方がいればこちらの記事を参考にしてみてください.

医学部合格後,医大生になってから医師国家試験合格までの勉強量

図書館で数多くの人が勉強をしている

医学部1-4年生までの勉強量~教養科目や試験のための勉強量~

医学部医学科に合格すると,6年間の大学生活が待っています.6年間でも数多くの試験が待っています.

『教養科目』と呼ばれる<英語>や<心理学>などの医学部以外でも勉強する科目の試験から始まり,『解剖学』,『生理学』,『基礎』,『研究実習』,『臨床実習のための試験』・・・など数えきれないほどの試験を通過する必要があります.

ただこちらの試験は大学受験とは異なり,60点以上取れば合格!と言ったような絶対評価になります.

そのため,医学部以外の大学生と同様で過去問を解いて試験だけ乗り切る人,授業のプリント全てを把握して試験に臨む人など,さまざまです.ゆえに医学生1-4年までの勉強量はかなり差がでると思います.

平均的な勉強量としては試験前に集中して1日3-5時間するような勉強スタイルが多いと感じました.

ただ医学部4年生でCBTと呼ばれる共用試験が存在します.これに合格しておかなければ,病院実習に参加できないというもので,合格しなければ留年が確定します.この時期には,かなりの期間勉強時間に費やしていたように思います.

ちなみに私は,一度不合格になり,追試験で合格になったほど勉強していませんでした.

CBTが終わると,ほぼほぼ病院実習になります.その時々で課題などは課されますが,めちゃくちゃ勉強するというよりは,医療現場に実際に関わってみる,という形になります.

医学部6年生の勉強量~医師国家試験のための勉強量~

病院実習が終わり,大学6年生の最後に医師になるための試験,つまり医師国家試験が存在します.医師国家試験は全国の6年生の医学生が受験して,その90%が合格する試験です.逆に言えば,下位10%に入らなければいい試験です.

ただ受験生全員が医学生ですから,全員高校時代に医学部を合格するための勉強をしてきたわけです.そのため医師国家試験合格のための勉強量は大学受験を思い出すような壮絶な勉強量になります.

最低でも1日10時間は勉強するようになります.私自身も同級生と一緒に10時間毎日勉強して,時たまリラックスする,そんな生活を繰り返していました.

合格された先輩からは,『とにかく周りと同じことをしておけば受かる試験,みんながやっているのと同じように勉強して,一人で勉強しないことが大切』そのように言われていました.

★医師国家試験合格までの勉強量★
①医師国家試験以外の試験~大学1年から4年生まで~
試験の数は相当数.試験の過去問を解いて乗り切る人から,授業資料を全て把握して試験を受ける人まで様々.多くの人は試験前に3-5時間くらい集中的に勉強して乗り切る印象
試験は,多い時には1週間に2.3個試験がある時もあるため,毎日勉強する日もある.医学部4年生のCBTは一つの大きな山になる試験.

②医師国家試験~大学6年生~
大学受験を思い出すほどの勉強量.1日10時間は勉強をする.医学生同士でしのぎを削る試験.
ただ合格率は90%程度の合格率.
医師国家試験に受かるための勉強方法,勉強量は,一人で勉強しないことで,周囲の人と同じように勉強していれば,合格できる.

医者になってからの勉強量

勉強して散らかされた鉛筆や本,眼鏡

医者になってからも勉強が続きます.しかしながら,医者になってからの勉強/勉強量は医者でない他の仕事でも同様の勉強だと考えています.

新人(=研修医)の時は学ぶことが数多く存在し,経験を重ねるにつれて知っていることも,できることも多くなっていく.その中で周囲が優秀なできる医者,そうでもない医者に評価されていく.

医者3年目にもなると責任が伴い,時には働きすぎ辛くなったり,もう駄目だとおもったりすることもある.その後は徐々に自分一人でできること,理解できることが増えてくる.その後は,自分以外の部署(=他科)からも信頼されて仕事がたくさん依頼される先生とそうでない先生に分けられていく.

社会人以降に関しては,仕事内容が異なるだけで,その他の社会人と同様です.

ただ医者は年齢をどんなに重ねても勉強をし続けなければならない職業ではあります.それらを以下に具体的に説明していきます.

医者になってからの勉強量①~研修医:つまり新人医師として基本的なことを学ぶ勉強~

研修医時代は,新人です.採血,点滴,酸素投与の仕方,吸引の仕方,縫合の仕方などなど始めてやること盛りだくさんです.

医者として誰もが知っておかなければならないことや手技を学ぶために勉強をしなければなりません.

ここでしっかりと勉強しておかなければ,どんどん差がついていきます.研修医に関しては以下の記事にまとめていますので興味のある方は参考にしてみてください.

医者になってからの勉強量②~資格を得るための勉強~

医者になってからは『専門性』を極める必要があります.特に研修医が終わった,医者3年目以降になります.【手術】をする『外科』,【内視鏡】をする『消化器内科』,【子どもの診療】をする『小児科』などが専門性にあたります.

その自分自身が選んだ専門性を名乗るために専門医試験と呼ばれる試験があります.私であれば外科専門医と言った具合です.この専門医の資格を獲得するために勉強しなければなりません.

もちろん専門にする領域ですから,勉強するのは当然なのですが,試験対策という形で勉強をしなければなりません.試験半年前~1年前くらいから2時間程度勉強を始めて,試験直前には5-6時間長時間勉強する,そんな状態になります.

また医者3年目は専門科が決まって仕事も激務になり,勉強量も格段と増え,つらい時期のひとつでもあるかもしれません.

医者になってからの勉強量③~医学知識をアップデートするための勉強~

医療の仕事は病気によって『ガイドライン』と言われる病気の治療方針の大筋が決められています.現在の医療はこのガイドラインにのっとり行われることがほとんどです.

ガイドラインに沿いつつ,ガイドラインではわからない部分は担当した医者が各自判断していく,そんな医療です.難しい言葉になるかもしれませんが,こちらが現在提供されている『標準治療』になります.この『ガイドライン』は3-5年に1度改訂されるため,最低でもこの期間で知識をアップデートしていかなければなりません.その度に勉強する必要があります.

実際はガイドライン改訂前に学会や論文などで最新情報が配信されるため,3-5年という期間よりずっと短いです.

医者になってからの勉強④~日々の医療のために知識をアップデートするための勉強~

日々さまざまな患者さん,病気を診療しますが,中にはガイドラインに当てはまらない場合もあります.珍しい病気であったり,いくつもの病気が重なっている場合などです.

このような場合,過去に似た症例が日本全国どこかでないか?または世界でないか?を探して勉強する必要があります.世界で探す場合はもちろん英語で書かれた論文を読むことになるため,英語力を鍛える必要があります.

日々の診療での疑問はよくある事ですし,細かい疑問でもよく調べることがあります.

この勉強が医者になってから最も勉強する量が多いかもしれません.

★医者になっての勉強量★
①研修医として初めて現場にでて仕事をする.基本的なことを数多く学ぶ.
専門性,資格を取るための勉強:いわゆる試験勉強をする必要がある.
『ガイドライン』と呼ばれる標準治療を提供するための勉強:日々の診療の基本のための勉強.④日々患者さんに最良の医療を提供するための『論文(多くは英語論文)』を読む勉強.*④に関しての勉強量は無限に行うことが可能*

医者になってよかったことや想像していなかったこと

ここまで読んでくださった方は医者に関して非常に興味がある方だと考えます.医者になることを真剣に考えている方,医者ってどういうかんじなのかな?などいろいろあるとは思います.

私自身の体験ではありますが,医者になってよかったこと,そしてマイナスの面である想像していなかったことも以下にまとめましたので,参考にしていただけると幸いです.

医者の勉強量.まとめ~医者は一生勉強??~

本に夢中な少年

医者は数々の試験を乗り切るまでは1日10時間を超えるような勉強量が必要になることも多いです.

そして医者になってからも医療という進化し続ける産業で働く職業です.

最高の医療を提供するために,患者さん一人に今現在考えられる最高の医療を提供するために勉強をする必要があります.

そこに終わりはありません.さらに最新情報の多くは英語で書かれている論文を読む必要があります.

ただ医者になってからは他の職業と同様に勉強する量が多い人,少ない人に分かれていきます.

社会人になってからは,他の職業と同様仕事を頑張る人,それ以外も充実させたい人,といるように医者でも同様で勉強量はかなり差が出てきます.

しかしながら医者は全く勉強せず,何年も前の治療を行い続けることはできませんので,勉強をしなくとも経験だけでできる仕事ではないとは思います.

医者になるまでから医者になってからの勉強量に関してまとめてみました.

参考になれば幸いです.

番外編:医者になってから感じる学生時代に勉強していてよかったこと

英語や社会は勉強して置いて,使う場面が多数想像できる.その他は,勉強の意味がよくわからないなー.

このように感じている人もいるかもしれません.確かに学生時代には,合格のためのためのがむしゃらに勉強の知識は使わないといっても過言ではありません.医者になってから,微分積分をしたり,重力加速度を用いたり,そんなことは臨床の現場ではありません.

ただ直接的に使用することは少なくとも,間接的に使用することは多々あります.理系科目の勉強の効果が表れるのは,すぐではなく,社会人になってからだと思います.具体的には数学や物理といった答えを導き出す過程,その答えに至るまでの論理的思考が非常に大切です.

AだからBになる.BとCは同じ.だからAとCも同じ.これは当たり前なことなのですが,このひとつひとつの積み重ねで医療は成り立っています.

この患者さんはAという病気だから,BとCとDの治療の選択肢があって,Aの中でもaの状況だから,Bの治療方針がbetterだよね.

上記の様な考え方の積み重ねです.抽象的な話で申し訳ないですが,このような論理的思考を細かい医療すべてに当てはめて考えられるか?

医療の現場ではこの論理的思考を瞬時に求められる瞬間もあります.今振り返って,論理的思考を養ってくれたのは間違いなく,数学や物理などの理系科目に他なりません.

そして私自身,上記の様な考え方を研修医時代に教えてくれた先生がいたことも非常にラッキーでした.

ぜひ頑張って勉強してみてください.

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