ドクターホワイト考察.それ,誤診です!後医は名医の格言.

ドクターホワイト:それ誤診です医学/医者関連

誤診ですって連発してるけれど,現実世界で実際に誤診ってあるの?

ドラマだから楽しく見れるけれど,誤診って,怖い.

浜辺美波さん主演の『ドクターホワイト』の決め台詞,『それ誤診です.』

医者からすれば『誤診です!』,そんな言葉を言われると震えあがってしまう言葉のひとつです.

実際に病院で勤務する医者が,『誤診』について考察します.また,このドラマを見ていて後医は名医という格言もあったなーと思い考察します.

スポンサーリンク

ドクターホワイト考察.【それ,誤診です!】後医は名医の格言.

ドクターホワイトのキャスト
ドクターホワイト:関西テレビ放送 ホームページより

まず患者がいる前で『誤診』そういったセリフを言わない.

当然と言えば当然かもしれませんが,それ,誤診です,などと患者さんの前で2人の医者が言い合うなんてことはありません.

やっぱり医者同士で話を合わせてるんだ.

そういう話ではありません.浜辺美波さん演じる『白夜』のように何でも一人で診断できてしまえば別ですが,現実世界の医者は各々専門科が決まっています.

そしてその専門科の知識以外,正直詳しくないというのが現状です.もちろん患者さんよりは詳しいですが,安全かつ最高で今ある最新の治療まで行えるという意味での詳しさを持ち合わせていません.

ゆえに,自分の専門科領域以外で怪しければ,その領域の専門科に相談します.

患者さんを診察して,複数の医者で診断を付けることがほとんどということです.特に総合病院になればなるほどそうです.

ちなみに医者は医学部に入るまでも勉強,医者になってからも勉強と常に勉強です.

ただそれでも,自分たちの専門領域以外の勉強に回す時間はあまりないなく,完璧にはできません.

どちらかわからない・はっきりしない場合は当然ある.

熱はあるけれどはっきりしないな.

後々結果がわかってくることもあるから,様子をみよう.

熱があるけれど,原因がよくわらかない,そんなことはよくあります.なぜなら熱の後に後々別の症状が出ることがあるからです.

熱が出てなんか熱さましほしいから病院に行こう.熱以外は特になんともないけどなー.

風邪かもしれませんね.お薬を出しておきます.

2-3日後に下痢し始めた.嘔吐もある.風邪ではなかった!それ,誤診です!

これはかなりの極論で,無理があるとしか言いようがないと思います.何しろ最初の段階で手がかりが熱しかないわけですから.白夜でもわからないと思います.

だからこそ様子を診る(=経過観察),という選択肢もあるのです.様子をみるというのも立派な治療のひとつです.

後医は名医?

診察しているとよくこんな話を聞くことがあります.

調子が悪くて最初に行った医者だと治らなかった.2,3日後に別の医者の所に行ったら,すぐに治った.あとに行った医者の先生はよく診察してくれた!

これはまさに『後医は名医』の可能性があります.

後医は名医①:情報量の違い

先ほどの極論の例のような,発熱が出て,そのあとに下痢したなどのように様子をみていると別の症状が出て来ることがあります.この別の症状こそが味噌になっています.

発熱だけでは病気がいっぱいありますが,発熱+下痢となると症状がかなり絞られるからです.ですから最初に受診する医者は,発熱だけで勝負をすることになります.

次に受診した医者は,発熱+下痢で勝負できるので,かなり病気が絞られるため,診断率があがるのです.後医は名医と言われるからくりです.つまり情報量が異なります.

食べ物と言われるとたくさんありますが,食べ物で赤い色のもの,と言われると随分と絞ることが可能です.

後医は名医②:自然治癒能力

続いては,人間の自然治癒能力です.『風邪』というと一般的にウイルス性上気道炎と呼ばれるものをさしますが,これはおおよそ1週間程度で勝手に治ることがほとんどです.

したがって,風邪で熱がでた初日に病院を受診,その後よくならなくて4日目に別の病院を受診.その後,症状がよくなる.

この場合も2番にみてもらった医者の方が,よく見えるのは当然です.もう治りかけの状態なわけですから.これも後医は名医のからくりです.

セカンドオピニオンも実は後医は名医に当てはまりうる.

自分が何かしらの病気にかかっており,普段診察してもらっている医者とは異なる病院の医者に,その自分の病気についての説明を求めることをセカンドオピニオンと言います.

本当にその病気なのか?本当にその治療法しかないのか?他の先生にも聞きたいわ.

こう思うことは当然ですし,当然の権利だとも思います(今お世話になっている医者にいいづらいというのは置いとくとしましょう).

ただこの場合でも先ほどの,『後医は名医』になっていることに注意してほしいのです.普段見ている医者は少ない情報から治る過程をみていますが,セカンドオピニオンで行った医者は前の医者が検査・治療してきた全ての情報を得たうえで,話す状況ができています.

セカンドオピニオンを受ける際は,後からみる先生の方がよかった!ではなく,後医は名医を知っておくといいかもしれません.

もちろんセカンドオピニオンという制度を否定しているわけではありませんし,私自身セカンドピニオンで患者さんにひどいことを言われたわけでもありません.

ただ働いていて思うことがあるのは,『悪性腫瘍』,いわゆる『癌』であった場合は,セカンドオピニオンを受けることで治療介入が遅くなる.それで病気が進行する可能性がある.ということです.

それ,誤診です!ドラマ:ドクターホワイト.白夜も実は後医は名医?

ドクターホワイトの『誤診』です!について,現役医師として考察してみました.

白夜も実は後医は名医に当てはまる状況が多いです.他の医者が最初に診察した後に,ふらっと現れて,診察する.当然,得られる情報量が多くなっています.

ただ彼女は単に天才ですので,『名医を超えに超えた方』という方が正しいと思います.

医者としては,後医は名医という言葉やセカンドオピニオンを何となく思い返すドラマになり,非常に現実を超えていて楽しくみています.

ぜひ見てみてはいかがでしょうか?

当ブログでは,医療ドラマの解説を他にもしています.波留さん主演の『ナイトドクター』についても考察しています.興味がある方はそちらもあわせて読んでみてください.

コメント

タイトルとURLをコピーしました