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医者の科(科目)のイメージ①.日常生活で考えてみる.

医者の科のイメージ:消化器,脳神経,循環器編 医学/医者関連
●医者って色々『科』が別れすぎててよくわからない.
●医者で内科や外科があるのはわかるけれど,それ以外はイメージがつかない.
●医者の科をわかりやすく説明してほしい.知りたい.

医者の『科』に関して知りたい方,イメージを持ちたい方向けです.

以前,医者の分類についてはまとめさせていただきました.こちらに医者の『科』の分類や種類についてまとめています.

今回は,医者の『科』に関してよりイメージ,つまり想像しやすくなるように説明していきます.

現役で,消化器外科医として働く医者が『科のイメージ』に関して解説します.

医者の科(科目)のイメージ①.日常生活で考えてみる.

工事をする人たち

医者の科は専門科でさまざまな種類に分類されている.

まず医者の科は,大きく内科と外科に分けられています.しかしそれだけではなく,そこからさらに細かく分類されています.その詳細な分類は,以前の記事で紹介させていただきました.

医者の科は何となく漢字でどこの想像をしているのかわかるかもしれませんが,実際にどういうことをしているのかがイメージが付きにくいと思います.

このイメージをわかりやすくするために,日常生活に落とし込んで考えてみると非常にわかりやすくなります.実際に日常生活の職業にあわせて説明していきます.

医者の科のイメージ①-1. 消化器内科&消化器外科=道路/歩道の整備

私自身,消化器外科ですので,まずはこちらから解説します.消化器は内科にしろ外科にしろ道路や歩道に関しての点検・整備士になってきます.

医療面から考えると,消化器は食道,胃,小腸,大腸などいわゆる食事が通過する臓器になります.その全ては食事を送り出すように機能し,さらには栄養を吸収していく形です.

そのため,消化器内科や消化器外科はその食事が正確に運び込まれ,吸収されているのかを検査したり,異常があれば治療したりするわけです.

なんとなくわかるような感じ.だけど具体的にどうなのかはイメージがつかない.

日常生活に置き換えて考えてみましょう.繰り返しになりますが,消化管は食事を食べる場所です.『食事が通過する=車や人が道路・歩道を通過する』として考えましょう.

車や人も道路や歩道が整備されているため,安全に通行できたり,渋滞にならず通過できるわけです.ただ道路や歩道も老朽化が進めば,工事が必要になったり,渋滞が増加すれば車道を増やしたり,バイパスを作ったりする必要が出て来るわけです.

この車・人の流れこそが,お腹の中の食事の流れになり,車道・歩道が腸=消化管になるわけです.例を挙げていきます.

①地震などで道路が陥没➡腸が破れてしまった=消化管穿孔.
②老朽化で道路が崩れかけている,工事が必要➡腸に腫瘍ができて通れなくなっている=消化器癌
③車線数が少なくなって渋滞➡腸管の幅が狭くなって食事がとおらない=腸閉塞.
④車の速度がずっと20-30kmで進まない➡腸が蠕動できない=便秘.


このように道路状況で考えられる全ての事柄がお腹の中の消化管で生じていると考えてもらうとイメージしやすくなります.

そしてその道路状況が問題ないかをチェックするのが,消化器内科です.そして道路状況に問題があって,大きくなさないといけない,そういう場合が消化器外科です.

消化器内科の行う上部消化管内視鏡検査(=胃カメラ)は食道,胃,十二指腸を確認し,下部消化管内視鏡検査は大腸を確認しているのです.

消化器外科は,主には消化器内科の指摘があれば,胃切除や大腸切除などを行い手術をしていきます.

●医者の科のイメージ①-1. 消化器内科&消化器外科=道路/歩道の整備●
消化器内科:道路の点検.出血や早期癌など部分な修復で構わない場合は一緒に治す.
消化器外科:道路工事.大々的に車の流れを止めて,道路状況を整備.車を止める=全身麻酔をかけて,整備=手術,になる.

消化器外科は私自身の話になりますので,より詳しい仕事内容・スケジュールなどが知りたい方は,こちらに詳細を載せています.

医者の科のイメージ①-2. 脳神経内科&脳神経外科=インターネットの整備

今ではなくてはならないパソコンやスマートフォン.こちらがインターネットにつながっているのはもはや日常的です.このインターネットの管理・整備が脳神経内科&外科です.

まず医療面から考えると,頭部に存在する脳は全臓器に指令を出す臓器になります.右手を動かして箸を持つ,食事を食べるために口を動かすなどです.さらにはそれにとどまらず,視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚などの5感すべてに関わってきます.

脳神経内科と脳神経外科はこの脳からの指令がうまく出ているのかどうかを診断し,改善に努めているのです.

脳が司令塔で命令を出していて,うまく伝わっているから体が動かせる.それ以上はよくわからない.

続いて日常生活に置き換えて,脳神経内科と脳神経外科のイメージを考えてみます.どちらの科にしても『神経』を扱う科になります.『神経』は2022年では当たり前になっているインターネット回線と考えてもらえればいいと思います.

脳=パソコンやスマートフォンで指令を出す,神経=インターネット,もしくはその回線とイメージしましょう.

パソコンから様々な文字をgoogleに打ち込むことで,いろんなことが検索出来たり,動画をみれたりします.ただそれはインターネットが正常に働いているからにほかなりません.例えを挙げていきます.

①電気は問題ないのに,いきなりパソコンが壊れる➡脳で指令が伝えられない=脳出血.
②パソコンのキーボードが使えず,何か所かだけ打てない➡脳内で小さな場所が詰まってその部分だけ指令が伝えられない=脳梗塞(ラクナ高速)
③パソコンがフリーズした➡脳からの指令がでない=てんかん発作.
④パソコンが古くなり,修理もアップデートもしていない,新しいことができないまま➡脳が昔のことは覚えているけれど,短期的なことはできない=認知症


このようにパソコンやインターネットで考えられる事柄が頭のなかで生じていると考えてもらうとイメージしやすくなります.

この分野の場合,脳神経外科の方がイメージが付きやすいと考えます.脳神経外科はパソコンを修理したり,インターネット回線を工事・修理したりする整備を直接行っています.

確かに脳神経外科は街医者でも見ることはあるけれど,脳神経内科?はつみみかも.

脳神経内科は,頭の中でなにが生じているのかを,話を聞いて,症状をみて,どこが問題があるのかを突き止めて改善していきます.ゆえに,プログラミングをしていると考えてもらえればいいです.どこのプログラムが不具合で,どんなバグがでているのか?それがウイルスであるならばプログラミングを書き換えたり,やり直したりする必要があります.

このネットのウイルス=頭の中の感染症(髄膜炎や脳炎)だったりになります.

脳神経内科の話をもう少し詳しくしておくと,『頭痛』を専門にみる科でもあります.頭が痛いからと言って頭を変えることはできませんし,工事したり修理したりして治せる範疇の物でなかったりします.その場合,頭の中のプログラムがどうなっているのかを,考える脳神経内科がみて診断していきます.

頭痛でお困りの方がいれば,脳神経内科を受診してみるといいでしょう.決して脳神経外科ではありません.

●医者の科のイメージ①-2. 脳神経内科&脳神経外科=パソコン・ネットの整備●
脳神経内科:プログラミングを行う.頭の中の回路を想像して,組み立てて治していく.
脳神経外科:パソコンやネット回線の整備・修理.きちんと動かない原因を取り除く.

医者の科のイメージ①-3. 循環器内科&心臓血管外科=電気系統

電気のない世界でも生きていけるかもしれませんが,もう今や電気があるのは当たり前になっています.この電気に関連するのが循環器内科&心臓血管外科です.

まず医療面から考えると,循環器内科や心臓血管外科は心臓・血管を扱う臓器です.心臓が動いていなければもちろん人間は生きられませんし,血管がなければ出血したり,その血管がない臓器が壊死したりします.

循環器内科と心臓血管外科は心臓とそれらを運ぶ血管に異常がないかを早急に診断し,改善に努めているのです.

電気は停電になるだけでも,日常生活だと非常に困る.すぐに復旧してほしいし.そんな電気を扱うから循環器内科や心臓血管外科は忙しいのか.

日常生活で言えば,循環器内科,心臓血管外科のイメージは『電気』になるため,早急な診断・治療が必要になります.電気が早急に改善しなければ,経済もとまったまま,生活もめちゃくちゃ不自由になります.例えを挙げてみましょう.

①電気がつくれない➡生きていけない=生存できない.
②電気をあまり作れない➡血液がたりない=貧血,血液がもれつづけれいる=出血
③発電所が急に落ちる➡心臓が急に詰まる=心筋梗塞.
④電線がいたるところで途切れる➡血管が至る場所で裂ける=大動脈解離.

このように電気に関する問題が生じていないかを見極めるのが,循環器内科,心臓血管外科です.診断した瞬間に即治療となるのもイメージが付きやすいと思います.

心臓血管外科は心臓を止めて手術をするのをドラマでみたことがある.それって電気を止めて生活することと同じだから,負担がかかりそう.

このイメージはイメージ通りで,やはり心臓血管外科の手術は大掛かりな手術になります.電気を止めるわけですから,補助電源が完備されているか,電源を送る配線はあるかなどしっかりとした準備が必要です.さらにはちょっとでも間違えば電気が放電して大事故にもなりうるわけです.

ちょっとでも間違うというのは,血管を縫うにしても,縫ってそこから血が完全に出ないようにしなければなりません.血が少しでもでれば,それは有効な電気を作れていない=貧血になるわけですから.

循環器内科は日々電線が正確に安全になっているかを点検するとともに,停電がおきればすぐに治せるように準備をしている科です.とにかく,何か電気系で問題があれば,まず循環器内科に相談となります.電気はパソコンをするにも,インターネットするにも,道路整備するにも必要です.

こう考えると,循環器内科はどの科の医者が働くにも関わる可能性がある科というのがわかると思います.

●医者の科のイメージ①-3.循環器内科&心臓血管外科=電気系統●
循環器内科:電線の日々の確認,停電時を治す.電気系統で困ったらまず相談!
心臓血管外科:電気系統の大きなテコ入れが必要な場合の仕事.
*どちらも重複する仕事内容ではある*

ひとまず何かあったら駆けつけなければなりませんので,病院の近くに住むことも多いです.

まとめ:医者の科(科目)のイメージ①.日常生活で考えてみる.

医者の科のイメージについてまとめてみました.

医者の科って色々ありすぎて,イメージつかなかったけれど,日常生活で言えばと言われると少しはわかってきた.

病気は自分のこととはいえ,実際に臓器がどうなっているのかをみることは難しいため,どうしても難しく考えてしまいます.ただ日常生活同様に必要とされている仕事をしているだけです.

医者にはほかにも多くの科が存在しています.その他の科も日常生活で考えるとイメージが付きやすいものが多々あります.

少しでも医者の仕事に興味がある,実際に医者はどういうイメージかわかりにくい,そんな人のためになれば幸いです.

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