【外科医の仕事内容】現役外科医がスケジュールも具体的に解説.

外科医の仕事内容について解説.医学/医者関連
・外科医の仕事内容って?
・外科の手術ってなにしているの?
・イメージしやすいように説明してほしい!

上記の様な疑問を持たれている方向けです.

外科の仕事や手術に興味がある方,将来医者になって手術したい,外科医になりたい方にも,読んでいただければ幸いです.

現役の消化器外科医である私が,私自身の日々の診療スケジュールと一緒に解説します.

スポンサーリンク

【外科医の仕事内容】現役外科医が手術などに関して具体的に解説.

外科医って手術して,大人数で患者さんをまわってるイメージがあるけど・・・

『白い巨塔』の様なワンシーンのイメージですね.

手術はもちろんですが,手術した患者さんの術後管理も行いますので,上記イメージの様な術後回診も存在しています.

まず外科医の仕事をざっくり言うと外科医の仕事は主に3つです.①手術 ②外来診療 ③入院診療,になります.

①手術  ・・・盲腸(虫垂炎)や癌などを体から取り除いて治療します.
②外来診療・・・手術で退院された方,これから手術される方を診察します.
③入院診療・・・手術後の患者さんの全身管理,抗がん剤を含めた治療を行います.
外科医の仕事内容について,スケジュールや手術を以下に詳しく解説していきます.

外科医の仕事内容:スケジュール

時間に追われる外科医

外科医の仕事内容①:手術がある日

●手術がある日のスケジュールの1例●
7:30~8:00:カンファレンス(手術前,手術後の患者さんの方針や今の状態を話し合う.)

8:00~9:00:病棟回診(入院中の抗がん剤治療中や手術後の患者さんの状態を確認.)

9:00~17:00:手術(大きな手術であれば,それだけで夕方まで.)

17:00~19:00:病棟回診(朝同様に入患者さんの状態を把握,必要あれば処置を行う.)

19:00~20:00:カンファ準備,論文作成など(明日の準備など終わっていないことをする)

大きな手術の日

大きな手術であれば,本当に手術だけで1日が終わります.朝9時から手術が始まって,気が付いたら夕方になっている,そんな状況です.

大きな手術とは癌ような悪性腫瘍の手術だったり,心臓の手術だったりします.

食事はいつとるの?と思われるかもしれませんが,大きな手術の時は昼食抜きになります.

ただ手術中にお腹すいたとなることはないです.

ゲームをされる方だとわかると思いますが,集中しすぎて気が付いたら時間が経っていた.手術はそんな仕事です.

私自身,月曜日や金曜日に大きな手術があって,昼食を食べないことも多々あります.

大きな手術ではない日

大きな手術でなければ1日手術2,3件の手術があります.手術のあいまあいまで,1時間くらい休憩ができる時もあります.

大きな手術ではない手術となると,胆石の手術だったり,盲腸(虫垂炎)の手術だったりします.手術時間は長くて2-3時間くらいになります.

手術の前後:回診

手術が始まる前,終わった後のどちらも術後の患者さんの状態を確認します.

これがいわゆる回診と呼ばれるものです.

回診は入院中の患者さんの状態をカルテで確認して,実際に目で見て,お話を聞いて判断します.

外科医の仕事内容②:手術がない日

手術がない日はない日で外来があったり,病棟管理があったりして結局忙しいことが多いです.

●手術がない日のスケジュールの1例●
7:30~8:00:カンファレンス(手術前,手術後の患者さんの方針や今の状態を話し合う.)

8:00~9:00:病棟回診(入院中の抗がん剤治療中や手術後の患者さんの状態を確認.)

9:00~15:00:外来診療(患者さんの数に応じて,時間は1-2時間前後する.)

15:00~17:00:病棟回診(朝同様に入患者さんの状態を把握,必要あれば処置を行う.)

17:00~19:00:カンファの準備,論文作成(明日の準備など終わっていない仕事をする)

手術がない日も術後の患者さんの処置や外来患者さんの診療と仕事は山ほどあります

外来診療

外来診療も外科の仕事内容のひとつです.

手術前の患者さんの術前検査であったり,今後の治療方針の相談であったり,抗がん剤に関して説明・治療可能か判断したりと様々な仕事があります.

患者さんのお話や血液検査,画像検査などをみて判断していきます.

術後の処置

術後の処置は手術がある日でもすることはあります.

患者さんの状態によって行うか行わないか決まります.つまり手術の合併症が起きている場合は,術後の処置が多くなる傾向があります.

お腹の手術で言えば,お腹に入っている管の位置を調整したり,傷を洗ったりなどです.

ただお昼は休憩がとれるので昼食も可能です.さらには術後の患者さんが合併症なく経過していれば,決められた仕事が絶対にあるわけではないため,手術がある日よりも少し気が楽です.

外科医の仕事内容③:カンファレンスや論文

論文が並ぶ

カンファレンス

外科医やその他関係のある医師(例:病理医,放射線科医,内科医など)がみんなで集まって,患者さんの治療方針を話し合う場です.

頻度としては病院によって異なりますが,多い病院は毎日,少ない病院でも週に1.2回はあります.

論文

日々の診療で出会った珍しい症例などは論文として記録に残します(症例報告).

記録に残すことで,次回からはその記録を読むことで,様々な医療関係者のためになります.

日本語の論文,英語の論文などあります.

国際的な評価を得るためには英語論文を執筆しなければなりませんが,日本語の論文も数多く執筆されています.

カンファレンスや論文

カンファレンスや論文作成はない日もあるため,患者さんの状態が落ち着いていれば,定時(17時過ぎ)に終わることもあります.

ただ論文作成はやろうと思えば無限にできるため,ずっと病院に残っている外科医もいます.

【外科医の仕事内容】『手術』に関して解説.

手術のワンシーン

外科医と言えば,ドクターXや白い巨塔のようなイメージで『手術』が印象的.手術って実際にはどういうことなのかまでは想像がつきづらいな.

こう思われている方が多いと思います.ドラマのように,外科医と言えばやはり手術が仕事のメインになります.

できる限りわかりやすく説明するため,手術とは日常生活で言えば何になるのか?

私が実際に患者さんに説明する時に使う,たとえ話を使って解説します.

外科医の仕事内容の『手術』は道路整備と一緒.

手術は日常生活で言うと道路整備になります.特に消化器外科領域はそうです.

つまり消化器外科医は道路整備士になります.以下具体的に解説していきます.

胃,小腸,大腸=道路 と考える

人間は口から食べて肛門から便を出します.

この時,食べ物が車で,食道,胃,十二指腸,小腸,大腸が道路です.

食べ物が安全に口から肛門まで移動できるようにするのを助けるのが,消化器外科医です.

以下さらに具体的に説明します.

  • 口腔・咽頭→食道→胃→十二指腸→小腸→大腸→肛門この流れは基本的に一方通行の道路.

  • 道幅が細くても交通可能なよう膵液・胆汁が膵臓・肝臓から供給され,車(=食べ物)を小さくする.

  • 胆嚢はパーキングエリア:胆汁の休憩所.ただ石(胆石)が出口にあると渋滞して,パンパンとなって飽和状態.パーキングエリアが機能しなくなる(=胆嚢炎になる).

  • 癌(悪性腫瘍)は土砂災害による通行止め➡渋滞の原因に.土砂などによる渋滞を無くすには,その土砂を取り除くしかない(=手術するしかない).

  • その他,炎症が激しくなると少しずつ道路が狭くなる👈ミニクーパーなら通れるけれど,ランドクルーザーでは通れない(入院中にお水は飲んでいいけれど,食事はまだだねと言われたりするのは,水は液体で通れるけれど,固形は大きくて通れないため).

  • 盲腸(虫垂炎)=雨が降って周辺の道路状況が悪くなる.その場だけでなく,周辺の腸にも炎症が及んで腸の流れが悪くなることもある.

  • 胃腸炎👈車が150km/hで通過します.つまり,下痢になります.

このように消化器外科医は食べ物の通り道である道路を整備しているだけに他ならないのです.

その1つ1つの道路整備方法に『虫垂切除術』や『結腸右半切除術』などの格好をつけた名前がついているのです.

大腸という道路が塞がれれば,そこを通れるようにしなければ渋滞になります.

渋滞を解決するには取り除いてまた道をつくるか,迂回可能な道 (バイパス) を作るしかしかありません.

渋滞は時間が経てば改善することもありますが,病気の場合,渋滞の原因は,時間がたっても治らないこともあるわけです.

その時には手術が必要になることもあります.

手術=道路整備:食事(=車)がしっかりと通れるように縫合(整備)する.

手術後も食べ物(=車)がしっかり通れるかを確認している.

手術の後,つまり新しく作った道路は糸やホッチキスで固定しているだけなので脆いです.

したがって時間が経過して大丈夫かどうかを確認する必要があります.時間が経過して大丈夫かどうかを確かめるために入院して様子をみます.

日々の生活で道路が崩れると,大惨事でテレビで報道されます.

手術の後はお腹を閉じるため,実際に目で壊れたかどうか判断できません.

道路が壊れたかわかるように,または,壊れてもリカバーできるように道路の下にマットを引いているんです.これが手術の後にお腹に管が入っている理由です.

お腹に入っている管をドレーンと呼びます.

簡潔に言うと,手術後(=道路整備後)の観察していることは以下の通りです.

  • どことどこをつないで新しい道路をつくったのか?
  • それが渋滞なく,気持ちよく走れる道なのかどうか?
  • ひびが入って脇漏れがないか?

脇漏れ,ひび,崩れ落ちることがなければ,食事が食べられて早期に普段の状態に戻れるのです.つまり退院してもいいことになります.

手術(=道路整備)はビルの上からしかできない.

屋根の上から遠くを眺める男性

人間には背中があるため,腸や肝臓を下から見上げることは困難です.

さらにはお腹の中に入り込むことも,大きさ的に無理があります.

道路であれば掘り進めて,近くで作業が可能ですが,ヒトの場合はそうはいきません.

つまり消化器外科医はお腹をのぞき込んで手術をするのです.

道路整備で言えばビルの屋上から道路整備を行うようなものになります.これだけでかなり難しい印象になりますよね.

更に,道路整備を行うにしろビルが高い方と低い方では,距離が近い方の方が簡単そうですよね?

距離が近い,つまり体の表面から臓器までの距離が近い=痩せている人の方が一般的に手術の難易度は優しくなります.

  • ビルが高ければ高い=お腹が深い,体格がいい ほど難しい.
  • 霧(=脂肪,体の中の癒着)がかかっていれば道路(=臓器)は見えずらい.
  • カメラでぐっと寄って見れば,より細かい構造を観察できる(=腹腔鏡手術).

どのような状況であれ,その人にとってベストな手術ができるように修練を継続しています.

病気は進行して発見される?

抵抗と言えばオームの法則

胃,小腸,大腸などの病変は小さい時はほとんど症状がでません.

道路に小さな石ころがあっても関係なく車は走行できますよね?

病変は毎日毎日少しずつ成長して,道幅を少しずつ少しずつ狭くしていきます.1 mm, 2 mm 小腸や大腸が狭くなっても全く問題ありません.

つまり道幅が狭くなりきって1車線になったり,通行止めになったりする=症状がでる,とういことになります.

手術の病気の代名詞である癌は進行して発見されることもあるのです.

別の言い方をすれば,「抵抗が高くなれば症状がでる.」その抵抗を取りきるには手術(=道路整備)するしかありません.

【外科医の仕事内容】まとめ

幸せな家庭
幸せな日常生活
①外科医は食物の通り道を整備しているだけ.
②道路の道を塞いだり,狭くしたりするのは癌(悪性腫瘍)や炎症によって生じる.
③それを取り除いて新しい道路を作る=手術する
私たちの外科医の手術はこれにほかなりません.

手術に限らず,医学は『身の回りにある生活を医学というカテゴリーに落とし込んでいるだけ』になります.

外科医は道路整備士,整形外科は大工,腎臓内科はごみ収集車と言った具合です.このように考えれば,医学も少しは身近に感じられるのではないでしょうか?

いかがでしたでしょうか?

私自身の日々の診療や患者さんとの説明・体験をもとに解説させていただきました.

少しでも手術や医学などに興味を持っていただき,皆様のお役に立てれば幸いです.

研修医,医療従事者の方は以下もお勧めです.

コメント

タイトルとURLをコピーしました