【2022年】医者は変わらず激務?実情を解説!

医者は2022年現在も激務?医学/医者関連

医者の仕事って2022年になっても変わらず忙しいまま?

医者は激務って聞くけれど,最近も変わらない?

このように医者の仕事の激しさ,忙しさに興味がある方に向けての内容です.世間では働き方改革が進められていますが,医者はその仕事内容および忙しさゆえに,2024年まで働き方改革が見送られてきました.そこで2022年現在,医者が激務な理由,医者の激務な仕事内容に変化があるのか?働き方改革が進んでいるのか?について解説していきます.

消化器外科医として,総合病院で勤務する勤務医が解説します.

また最初に説明しておきますが,開業医と勤務医では働き方が全く異なります.開業医と勤務医の違いについては以下の記事にまとめていますので,参考にしてみてください.

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【2022年】医者は変わらず激務?激務な理由を解説.

自宅で時間外に働く男性

医者が激務と言われる理由①:ドラマの影響も大きい

まずは医者が激務だと世間一般で思われている理由を考えます.これはドラマなどの影響も大きいと思います.特に,救急医がドラマで取り上げられることも多いからです.

一般に言って風邪をひいたり,転んで怪我をしたりした場合は,町医者=開業医,を受診することがほとんどだと思います.多くの病院が木曜日の午後などが休みで,日曜日も休みなことが多いです.こちらからは,全く激務とは思えない印象です.

その他の世間一般のイメージでは,『白い巨塔』や『コードブルー』,『ナイトドクター』といった忙しさや厳しさがクローズアップされた医療ドラマによる影響が大きいと考えます.ひっきりなしに重症な患者が飛び込んできて,全く手が回っていないシーンをよく見かけると思います.こういった印象によって医者は激務であると刷り込まれている理由の一つだと思います.

医者が激務と言われる理由②:当直といった不規則な勤務体制がある

当直というのは,通常勤務が終わった後に病院で仕事をし,救急対応をし,病院で寝て,夜間にたたき起こされ患者を診察し,次の日,通常通り働く,こう思っていただければいいと思います.

やはり世間の一般的な土日休みの勤務とは異なり,当直は非常に特殊です.一番激務なのは当直の次の日も通常通りの勤務をしなけれあばならないという点です.忙しくて全く眠れなかったとしても,次の日は普通に働かなければなりません.

外科の場合だと,その当直の翌日が12時間以上かかる手術であることもあったりして,ふらふらの状態で手術に入らなければなりません.これは激務を通り越して,修行➡苦行,と言えるかもしれません.

当直について詳しく知りたい方は以下の記事にまとめていますので,参考にしてみてください.

医者が激務と言われる理由③:帰宅しても必ず休めるわけではない.

家に帰ったとしても,自分の担当患者さんの状態が悪ければ,電話がかかってきて呼び出されます.例え,夜中の2時3時であったとしてもです.

帰宅して疲れたからビール飲んで寝よう.そんな生活はなかなか待っていません.帰宅しても状態が芳しくない患者さんがいれば,いつ電話がかかってきてもいいように,気を緩められません.そして電話がかかってきたら駆けつける,そんな日々からは勤務医である限り逃れられません.開業医に関しては,病院が閉まるためこんなことはありません.

これは入院患者さんがいる病院だから起こりうることですし,日本が主治医制と呼ばれる医療体制をとっているからにほかなりません.海外などではチーム制と呼ばれる複数の医師で一人の患者を診る体制が整っている国もあり,オンとオフがはっきりしていることもあります.

医者が激務と言われる理由④:働いている割には給料はもらえない.

医者と言えば,高給取りな印象があると思います.しかし,働いている量や時間と照らし合わせて考えてみると,給料はもらえていないことがわかります.

こちらが顕著なのは大学病院です.大学病院は働かされまくるのに,給料は本当に少ないです.一度時給換算したことがありますが,700-800円程度になったと思います.朝7時半に出勤して,24時に仕事が終わる.土日は毎日朝から昼まで出勤する.そんな仕事を続けていたのに,給料は全然もらえない.

さらには労働基準法にかからないようにするため,時間外を書く量を制限される.あまりにも多く時間外を書くと白い眼で見られたり,上司からの注意が入ったりする.こんな日々です.

働いても給料に反映されない時間が多いということです.

また今現在では多くの医者以外のサラリーマンや公務員がもらえるとされる退職金についても事情がことなるので注意してください.

医者が激務と言われる理由⑤:患者の診察以外にも,論文,学会発表などがある

論文作成や学会発表は,定期的に行われています.締め切りもあったりするため,直前は夜遅くまで病院に残って作業することも多いです.ただこちらは自己研鑽として,時間外業務としてつけることは許されていません.

患者さんを診察する以外の業務もあるため,激務と呼ばれます.例えば,自社商品も作って,それを自ら運んで,現地で売る,こんな作業を全てやっている印象です.ただこの全てができれば,スーパーな人材であることは間違いないと思います.自己研鑽という意味では必要な時間なのかもしれません.ただやはりその工程をひとりで回さなければならないため,激務,と呼ばれる状態になると思います.

医者の激務な仕事は,2024年の働き方改革にむけ変わりつつある?

医師の時間外労働規制について
医師の働き方改革について 厚生労働省ホームページより参照

いろいろと区分が決められており,難しい話になっています.多くの医者が当てはまると考えられるのが,年960時間/月100時間未満の時間外労働というポイントです.月換算で考えると約80時間の時間外労働は認められることになっています.要するに過労死ラインぎりぎりまでは時間外労働を認めるということになっています.

ただ先ほども申し上げたように時間外の申請は,タイムカードを行っているにも関わらず自己申告制であったり,減らすように指定されたりと,いくらでも変更可能なものです.

はっきり言って時間外労働に関しては何も変わらない.と言わざるを得ません.

一方で『連続勤務時間制限28時間・勤務患インターバル9時間の確保・代償休息のセット』とあります.これは当直に対しての観点が入っていると考えられます.こちらを考えると,少しずつ当直の翌日は午前だけ働いて,午後は帰宅という流れに代わってくるかもしれません.
ただ,あくまで『努力義務』とされているため,多くが何も変わらずこのままでしょう.

今回の2024年の働き方改革では,月100時間を超えるような医師をまずはなくすというところに焦点が絞られているようですから,そちらは形式上減ってくるとは思います.現場は変わらず,と言ったところでしょう.

医者の激務を変えるのは働き方だけでなく,意識改革も必要.

過労働時間が地域医療確保の暫定特例水準を超える医師の割合
医師の働き方改革について 厚生労働省ホームページより参照

こちらの図からわかる事は①若手の時間外勤務が多いということ,そして下の診療科別でみてみると,②救急科と外科,脳神経外科,産婦人科などの外科系が時間外勤務超過が多いことが分かります.

①若手の時間外が多いのは,知識や技量が少ないまたは未熟なこともあるとは思います.若手が行うことで1時間かかる処置が,ベテランが行えば10分で終わる,そんなことは普通にあるためです.ただその時期の若手は非常に厳しい環境を強いられることは間違いなく,特に医者3年目は過酷な職場と言わざるを得ないと私自身思っています.詳しくは以下.

②救急科と外科系の時間外労働が多いに関しては,救急医に関してはなぜかわかりません.私の働いていた救急科ではシフト制がとられていましたので,時間帯で交代する業務のためむしろオンオフがはっきりしていた印象があります.救急科の人数が少ない病院では,シフト制をとることが難しく,時間外労働が増加するのかもしれません.

外科系に関しては,手術時間が長時間であること,いつ何時であっても急変しうること,があげられます.手術時間が長時間であることは変えようがありません.こちらに関しては,ある一定時間が来たら術者を交代するといった策があるかもしれませんが,医者数からは非現実的です.それゆえ,いつ何時であっても急変しうることに対しての対応を考える必要があると思います.こちらに関しては,現在の『主治医制』➡『チーム制』に移行することが大きなポイントだと考えます.

ただ『チーム制』に関しては,若手以外の多くの医者が拒むと思います.

手術をした患者は,その手術をした医者が診察するべきだ!

こういった考え方が医者にも患者側にも多く存在しているからです.感情論としては非常によくわかるのですが,こうしたことでは自身の家庭の問題が生じたときにも,家庭<仕事,を優先させなければならない状況になります.こうなると育児を抱える若手の医者や出産を考える女医さんが,外科医になるという選択肢を外すようになります.こうすることで,ますます外科医になる医者が減少し,少ない人数で働かなければならなくなる.その結果,時間外労働が増えるという悪循環になります.

また昨今では医学部合格者の半分が女性になっていますので,今後女性医師がさらに増加することが予想されます.女性医師が,外科医に全然入ってくれないとなると,悪循環がますます増すばかりです.女性医師が外科医になれるような環境作りが必須の時代だとも思います.

一人の患者を『主治医制』ではなく,『チーム制』でみることによる様々なメリットがあることもあり,そういったメリットの方が大きいのでは?と立ち止まって考えてみることも必要かと思います.意識の改革なので非常に時間のかかる改革にはなると思います.

現在の消化器外科医の仕事内容やスケジュールに関しては以下の記事を参考にどうぞ.

【まとめ】医者は変わらず激務?激務な理由を解説.

医者が激務と言われる理由や2024年にも迫る働き方改革,そして意識改革も必要である事について解説させていただきました.このような解説をすると,医者って厳しいばかりと思われますが,それ以上に楽しい仕事であることも間違いありません.また仕事はどんな職種であれ,問題を抱えていない職種は少ないと思います.その問題が医者で大きく取り上げられているだけだとも言えます.

もし仕事が激務でつらいのであれば,職種は変えられなくとも職場は変更可能です.病院によっては働き方改革をちゃんと進めている病院もあります.そういった環境に身を移すことも検討の余地があると思います.

以上,参考になれば幸いです.

これから医者を目指して勉強している人に関しては,以下の記事も参考になると思います.

医者になってよかった点,よくなかった点に関してもまとめています.

コメント

  1. yuki より:

    こんにちは

    医師の方って同じ人間なのかって思うくらい激務ですよね。。。
    当直後の日勤は本当に信じられなくて、皆様とご家族様がご苦労されていると思うと
    胸が痛く感じます

    とはいえ、簡単に医師の数を増やすわけにもいかないし、夜間の救急を止めるわけにもいかず
    せめて報酬面だけでも、労働に応じた形で報われること願っております
    先生もお体には十分気をつけて、ご自愛ください

    • くちゃんくちゃん より:

      いつもブログを読んでくださりありがとうございます.
      医師の仕事は波がかなり激しく忙しい時は忙しい,そうでない時はそうでもない.そんな状況は患者さんの状態,人数によって規定されるのでなかなかかえるのは今の制度では難しいでしょう.
      ただ昔の診療体制が現在も継続してあり,そちらが見直されていないことが多数の無駄も生み出していると思います.その無駄を洗練することで仕事も減らすことが可能なはずなのですが,思ったようには進みませんね.
      これからの時代を読んだ診療体制に変化できるように少しずつ私自身見直していこうと思います.

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