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【研修医ローテーション】外科ローテにについて体験談を解説.

外科研修:今ならこうする 医学/医者関連
●研修医になったけれど,外科も研修でローテーションしなければならない.
●実際にどういう感じでローテするべきか,振る舞うべきかいまいちわからない.
●ローテし終わった人がいたら教えて欲しい.

上記の様なお悩みがある方に向けて書いています.主には医学生・研修医向きになります.

現在は消化器外科医として働く現役医師の研修医時代の外科ローテーションを振り返ります.

【研修医ローテーション】外科ローテにについて体験談を解説.

手術はするのではなく,みるものの印象だった.

外科の印象:研修医ローテーション最初の科が外科.

明日膵頭十二指腸切除術だから...

そう言われて研修医1年目の4月の研修医ローテーションが始まったのを覚えています.

膵頭十二指腸切除術は,外科手術の中でも長い手術で,前日に言われた時は,明日は本当に何時に帰られるのだろう.そう思っていました.ただ翌日に何もしてないことがばれて,『ggrks (ググレカス)』と言われてはまずいと思い,手術について少しgoogleで調べ,眠りにつきました.

研修医1年目の4月の段階は,仕事というよりは実習の延長線のような心持でした.今までバイトでしか働いたことのない医学生だったため,急には切り替えられませんでした.

研修医として外科は,手術が進むのをまじかで見る観客

それではお願いします.

翌日9時から手術が始まった.電気メスの音と少しだけ臓器が切れる匂いを感じる.

あ、お腹あいた.おお,肝臓さん,こんにちは.腸間膜も大丈夫そうと言ってる.

手術は進んでいくが,その後は覚えていない.とりあえず,

これ持って!違う,こう!ヘラでこれよけて!違う,こうだって.ええい,こう.

はい!(いやいや見えてないのによけろって,無理っしょ)

とリトル本田ならぬ自分で自分を慰めながら,何が行われているのかわからない.切って,血を止めて,縫ってなんてのはわかるけど.完全に第3者の目線でした.返事はやる気だけはあるふりして.

野球のルールも知らないのに,彼氏が野球観戦に行きたい!っていうからついてきた彼女みたいな状態だった.それもバックネット裏の特等席なはずなのに,興味を示さない彼女.当時はそんな感じだった.

研修医として皮膚を縫合したが…外科は大変・めんどくさいと思うばかり

手術が終わりそうになった21時頃に,

皮膚縫ってみるか?学生時代にも練習したろ?

朝の9時から21時までずっと立ちっぱなしで,わけもわからない状態で進んでいく手術だったため,正直疲れ切っていた.そんな疲れ切ったなかで縫合させていただいた。

ただ自分が1針縫合する間に,上級医の先生のぴしっと舗装されたアスファルトのように美しい縫合線が迫ってくる.

(どうしたらそんなに早く縫えるんや.私に縫わせる気ないでしょ)

とまた若干逆切れ気味なリトル本田が出てきて終わった.なんやかんやで終わったのは22時半だった.

やっと終わった,座りたい,,,でも誰も座らない,,.外科って大変だめんどくさいわ.

これが本当の本当の本音だった.

手術後~外科ってこんなわけわからん仕事なの?~

親が医者ではなかったので,医者の仕事がどうなのか全く知らず,

(よし帰れるやっと帰られる,明日土曜日だからゆっくりしよ!)

明日8時半集合な!

りょーかいしました!(・・・・まじかよ.)

医者ってこんな仕事なの?学生から医師になった瞬間のリアルだった.働きすぎ,わけわかんねー.

術翌日~私っている?~術後回診~お前にはまだ早い~

翌日手術した患者さんを診に行って,少し何かできないかと,ガーゼを持ってきて手伝おうとしても

  • 管をじっと見てる
  • ガーゼ変えたる
  • 尿量をみてる

お前にはまだ早い!!

点滴をみてどうするのかなとオーダー画面を開いていると,

お前にはまだ早い!!

点滴をみてどうするのかなとオーダー画面を開いていると,

いやいや、私,,,いる???ひとまず波風たてずにその日を乗り切ろうと決めた.一通り処置が終わった後に,わからないことがあれば聞いてね!と言われた.

いやいや,何がわからないのかわからないんですよ!! …なんてとても言えない.

しょうがなしにちょっと勉強してみるも

いわゆる「外科レジデントマニュアル」を読んではみた.ただそれ以外に覚えることが多すぎて,ついていけなかった.カルテも経過良好とかドレナージ継続とか,短すぎてわからない.

教科書に書いてあることで一致することはほとんどなかった.これは勉強しても意味ない.そもそも整形外科志望だし,あんまり必要ないのかも,,,最初の2.3週間はそう思ってた.

そんな退屈な外科研修で感動した数少ない瞬間

痛いです.

患者さんが毎日言われる言葉だった.ただ3-5日くらい経過すると,ご飯も食べられる.そして最終的には歩いて退院される.

おぉ!!あんなに痛い痛い,と呪文のように言われてたのに,歩いて退院されるではないか!!

と感動を覚えた外科研修の数少ない瞬間だった.

外科研修終わって

できるようになったこと

研修医1年目の初っ端だったせいもあると思いますが,2か月の研修でできるようになったのは以下の通りです.

  1. 毎日カルテをみること
  2. 看護師さんにこの薬処方されていませんと言われたらオーダーを入れること
  3. 上級医の先生の処置の必要なものを準備すること

手術で何かを得たり,術後の管理などで点滴を覚えたり,そんなことは全くありませんでした.仕事をする感覚よりは,伝達役,そんな研修に意味を見出すのが難しかったのもありますが,外科の研修の仕方がわかっていなかったように思います.

現在の立場で当時を振り返り,しておけばよかったこと

数少ないことですが,当時しておけばよかったことをまとめます.

①手技を覚える(手術は除く)

外科研修は国試を切り抜けてきたばかりの学生には【よくわからないことだらけ】になるのでは?と考えます.なぜかと言えば外科は手技が中心で,国試で得た知識を使う場ではないからです.

当時のお前にはまだ早いは,手技を診て,しっかり学べという意味だったと今では思えます.

胸腔ドレーンや腹腔ドレーン,さまざまな道具を使用していましたが,この道具の名前を覚え,手技の手順を覚えましょう.そしてそれを前もって準備できるほどにしておく.

研修医として外科ローテーションをやり直すとすれば,

準備だけは完璧にできるようにしてまっておく!

これに限ります.実際準備ができれば,徐々に手技の意味も分かってきます.準備ができないのに手技ができないのは当然です.準備を大切にしましょう.

②術後管理をする(手術はその場で聞いたり,見たりで充分)

術後管理を勉強すべきこれに限ると考えます.内科志望だけれど外科を回らなければならない,外科興味あるけど何から手を付ければいいかわからない.そんな方は術後管理を学びましょう.

点滴,抗菌薬,酸素投与,X-pの読み方(胸腹部x-p)など勉強することは多々あります.

これらに対して重点的に学んでおくことは,今後どの科に行っても役に立つことばかりなので,こちらを勉強するように研修すべきだと考えます.さらに下記にリンクを貼っておきます.

研修医ローテーション:外科まとめ

外科の研修は知識が通用しないことが多く,視覚的な情報量が多いです.それゆえに自分の勉強してきたことはあまり通じないということを経験しました.手術も実際手術に参加するとしても,ラパコレのカメラだったり,筋鈎引きだったりで,正直退屈だと思います.

その上で手技の準備や術後管理に比重を当てて学ぶことで研修を少しでも意味のあるものにする可能性が高いとも感じます.

ぜひ有意義な研修医ローテーションにしてください.研修医が終わって,美容整形外科にでも行かない限りはつらい3年目が待っています.ただこちらも研修医のうちからしっかりと,上級医ではなく自分自身が患者を治すくらいの勢いで研修していればある程度は改善可能だと思います.

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