投資信託は,手数料が高いイメージがあるけれど,,,実際ETFと比較するとどうなんだろう?
投資信託も上場投資信託(ETF)も同じようなものでしょ?ただ手数料や配当金再投資などが変わるから、、、考えるのはめんどくさいけれど.
このように株式投資を始めると徐々に思ってくる疑問について解説します.
投資信託にもETFにも投資を行っている,消化器外科医が解説します.
私は医師の資産形成として投資を行っており,資産の最大化を目指しています.日本株・米国株のどちらにも投資を行っています.
もし投資を始めたことがない方で,どちらにすべきか迷っている方は『投資信託』一択だと思います.これは手間の少なさゆえです.
それでは解説していきます.
投資信託or上場投資信託(ETF),投資するならどっち?
投資信託と上場投資信託(ETF)の相違点.
投資信託も上場投資信託=ETFも投資している指数が同じであれば,同じ投資商品に投資していることになります.
例えばアメリカの有名な指数であるS&P500に連動する投資信託(例:eMAXIS Slim米国株式 S&P 500)と上場投資信託(例:VOO)は同じ商品に投資を行っています.ゆえに同じ金額の投資を行っていれば,理論的には同じだけの利益を得ることが可能なはずです.
では,この二つの最大の違いはと言えば,【購入可能な金額】だと考えています.投資信託は,100円からでも購入可能ですが,ETFは1株から購入しなければならないため,1株が購入可能な最低金額になります.ETFの方が購入金額が大きくなりますが,その分,売ったり買ったりが容易に可能です.
購入できる金額が,投資信託は100円からでも購入可能.ETFになると1株から購入するようになるため,最低購入金額が投資信託よりは上がる.
ETFの購入は株数になるため,毎月3万円購入すると決めていても株価によっては,3株購入できる月と2株購入できる月と,と変動があります.
ETFの投資は,こういった手間を考えなければならないため,投資をまずは始めてみる方は投資信託からの方がいいと考える最大の理由です.実際につみたてNISAでも購入できる商品は,投資信託になっています.
しかしながらETFには様々なメリットが存在しています.
上場投資信託(ETF)のメリット①:手数料が安い.
同じ商品を購入するのであれば,手数料が安い方がいいに決まっていますよね.
先ほど申し上げた通り,投資している指数が同じであれば,投資信託であってもETFであっても同じ商品に投資していることになります.
そして同じ投資商品であるにも関わらず,投資信託とETFでは一般的にETFの方が手数料が安くなります.例を挙げると,eMAXIS Slim 米国株(S&P 500)の手数料は隠れコストも含めると0.11%程度になっています.ETFである,VOOの手数料はというと,,,0.03%に設定されています.
ETFの0.03%という手数料、、、激安!!
手数料だけに比較すると,圧倒的にETFの方がいいです.
上場投資信託(ETF)のメリット②:売り買いがすぐに行える=流動性が高い.
ETFは1株,2株といった単位で購入する通り,株と同様に売ったり買ったりが行うことが可能です.逆に投資信託は1口や2口といった単位で購入され,買った商品をすぐに売る,なんてことはできません.
これを短い言葉で言うと,ETFの方が流動性が高い.ということになります.
短期投資も考えているなら,ETFの方がおススメ!ということになります.
上場投資信託(ETF)のメリット③:投資信託にはない商品がある=種類が豊富
米国の高配当株で有名なEFT:VYMですが,こちらは楽天証券では現在同様の投資信託はありません.
米国高配当株で,『最強』ともうたわれるETFである『VYM』はETFでのみ存在し,投資信託では存在していません.ゆえにVYMに投資をしたければ,ETFを選択するしかありません.
ETFの方が投資の選択の幅が増える or 種類が多いということです.
いずれは投資信託でもVYMに連動した商品が出て来るかもしれませんが,その時は手数料にも要注意です.手数料が高ければ同じ商品をより高い消費税を払って購入しているようなものになるからです.
私自身の直近のVYMの投資は以下の記事を参考にしていただければと思います.
上場投資信託(ETF)のデメリット
ここまでの話でいうと投資信託よりもETFに投資した方が,断然お得に感じます.しかしそうもいかないのが投資の世界です.
特に長期投資を前提としている場合には,ETFよりも投資信託の方がお得になる場合もあります.
上場投資信託(ETF)のデメリット①:再投資する場合でも配当金に税金がかかる.
これがETFに投資をするべきか,投資信託に投資を行うべきかを悩ます最大の要素になると考えています.
外国税額控除を使った米国の配当金でも日本株の配当金でも,約20%の税金がかかります.つまり,配当金で10万円もらったとしても実質手元にくる配当金は8万円ということです(実際にはもう少し少ないです).
ETFに投資する時はこの税金について検討しなければなりません.自身の投資目的が超長期であり,配当金は当分再投資であるのならば,税金をひかれずに再投資が可能な投資信託の方がいい場合が多いです.手数料を打ち消すほどが可能なほど,税金の威力はすさまじい,ということになります.
上場投資信託(ETF)のデメリット②:配当金再投資を自身で行う必要がある.
ETFの配当金は決まった月に,証券口座 or 銀行に振り込まれるようになります.この時,現金として振り込まれるだけなので,再投資は行ってくれません.
要するに,配当金を再投資する手間が出て来るということです.しかも,最初のうちはもらえる配当金も5ドルなど本当に小額です.こちらの配当金を積み重ねた額を計算したり,まとめたりして再投資しなければめちゃくちゃな投資計画になってしまいます.
こういった手間があるのはデメリットだと考えます.
まとめ:投資信託に投資すべき人とETFに投資すべき人.
投資信託に投資すべき人は以下に当てはまる人だと考えます.
①15,20年と長期投資が前提でこの前提が崩れることがない人.
②その長期間の15,20年の配当金は常に再投資に使う人.
③手間をかけたくない人=株価などはあまりみなくてもいい人.
上記3つすべてに当てはまる人は投資信託にすべきだと考えます.そして③の手間をかけたくない人も投資信託を検討すべきだと考えます.
続いて,上場投資信託に投資すべき人は以下に当てはまる人だと考えます.
①長期投資が前提だけれど,その前提が崩れるかもしれない人=お金が必要になったら崩すかもしれない人.
②配当金はある程度の額になったら,生活費や娯楽に回そうと考えている人.
③手間が少々かかってもいい人=株価をチェックするのが苦痛ではない人.
④出口戦略を考えたくない人.
ほぼ投資信託の逆になるとは思います.ただ投資信託と異なり,この一つでも当てはまればETFの方が投資妙味があるのではないかと考えています.
そして④出口戦略を考えたくない人,というのが大事なポイントでもあります.例えば5,000万円貯まるまでは配当金は再投資するけれど,それ以降の配当金は生活費や娯楽に使用するという場合です.
この時,5,000万円に到達したのは,①長期間であり,②15-20年間かけて配当金を再投資して到達したとします.このケースの場合,ETFよりも投資信託の方が資産はより最大化されています.これは税金の観点からです.
金融資産5,000万円貯まったから,今後の投資信託の配当金は再投資ではなく,使えるように設定を変更しよ.
あれ??このままだと,ETFよりも高い手数料で運用し続けるようになる.なんか嫌だな.
最終的な出口戦略を考えると,このように矛盾を抱えて配当金をもらわなければなりません.配当金を再投資しないとなれば,投資信託のメリットはほぼなくなるわけですから.
そして投資信託からETFに切り替えようにも,利益確定してしまうとキャピタルゲインにも税金がかかりますから,その時点でも20%の税金がかかります.
うーん,利益確定して,ETFに乗り換えるのは違うな…このまま投資信託で運用しないと…
こうなってくると,人生のうちでETFを運用する年月がどれほどになるか,つまり,どれほど長生きするかによってどちらがお得かが変わってきます.30歳から投資を始めて,50歳で配当金は使用するようになる.残り,30-40年生きるとすると,,,
このように出口戦略を検討するのが正直めんどくさくなります.そしてこれには答えもありません.いつまで生きるかはだれにもわかりませんので.
投資信託に投資すべき人と上場投資信託(ETF)に投資すべき人についてまとめてきましたが,私個人としては以下のようなことが最大の論点だと思います.
●投資をしないことが,資産形成にとって最大のリスク●
上記のように考えて,とにかく投資を早期に初めて,時間を味方につけることが大切であると考えます.
コメント
こんにちは
お忙しそうで大変ですけどブログ更新、待ってました
ETFか投資信託か。なかなかに難しい。
メリデメどちらも甲乙つけにくい。
強いて言えば長期がないのでETFかな。
いずれを採用しても継続大事、同意ですね。コツコツと積み上げるのが一番大切
いつもブログを読んでいただきありがとうございます.
ETFも投資信託もどちらがベストかという判断は個人で異なり,さらにそこに正解もないかもしれません.
どちらにせよ投資をしていないことがリスクということになりますね.