●先生と呼ばれる職業ってどうなのか?
上記のように思ったことがある方向けです.
普段,医者として働き,違和感を覚えている外科医が考えます.
先生と呼ばれる職業に就こうとかついている方も読んでいただけれると幸いです.
医者を先生と呼ばない?先生と呼ばれる職業であることに違和感.
『先生』と呼ばれる職業.
先生と呼ばれる職業として,教師,弁護士,医者,政治家などがあります.
先生とは『先に生まれた人』と書きますので,それが派生して学問や技術を教える人につける敬称になっています.
小学生,中学生,高校生などの学生にとっては,教師は先に生まれた人ですから,『先生』と呼ばれるべき職業だと考えます.
弁護士や政治家がなぜ先生と呼ばれるのかは,職業を詳しく知らないためよくわかりません.
医者は『先生』と呼ばれる職業?
私自身の考えは,『先生』と呼ばれる職業ではないと考えます.
先生と呼ばれることで,距離感も生まれる.そして先に生まれてもいない.何一つ先生と呼ばれる仕事をしているとは感じていない.
上記のように感じています.
医者を先生と呼ぶことで距離感が生まれる.
『先生』とは多くの人にとっては教師が初めての先生だと思います.教師と生徒は一般的に年齢も離れています.
教師は適度な距離感があって,なおかつ何かを教えてもらうことがほとんどです.
医者は,診断して,治療を手助けするだけです.患者さん自身の体は,患者さんのことで教えるわけではないと感がています.
自分自身の健康のことに聞きたいことがあれば,聞くことが重要です.
医者に先生とつけることで,距離感が無意識下で生まれているのではないかと考えています.それで何かを質問するのも難しくなっているのではないかと.
さらには医者の人間性は偉そうとか冷たいとかいった感情も持ちやすくなるのかもしれません.
医者は小児科以外ほとんど先に生まれていない.
一般的に病気は若年世代より高齢者の方がかかりやすいです.
私自身,癌を診察する科ですから,自身よりも年配の方が多いです.さらには上級医よりも年配の方が多いです.
そんな方々に『先生』と呼ばれるのは何かすこしくすぐったい違和感を覚えます.
医者は何ひとつ先生と呼ばれる仕事をしていない.
医者は病気が治るようにお手伝いをする仕事です.
薬や内視鏡,手術などさまざまな治療法は存在していますが,最終的には治るのは患者さん自身の治癒能力で治しています.
包丁で手を切ってしまった.病院で診てもらおう.
この傷は縫った方が早く治りますね.
正直,けがをした傷だとしても,感染症にならなかったり,傷跡がのこったりしても,時間をかければ治る傷が多いと思います.
その患者さん自身の治癒能力のお手伝いをしているだけです.
本当に治すのであれば,合併症を起こす人をひとりもいないようにする,これが治すだと考えます.つまり,先生と呼ばれるような仕事ではなく,お手伝いしているだけです.
医者を先生と呼ばれる職業であることに違和感があるを考えてみた.
きっかけ:年賀状で同級生からも○○先生と書かれた年賀状が来る.
おいおい,僕は君の先生ではないでしょ!!
年賀状をみながら思わず,思った感想でした.そこで医者が先生と呼ばれることはどうなのかと当ブログでも掘り下げて考えてみました.
正直,どうでもいい話題と言ってしまえばそれまでなのかもしれません.
ただ同級生からも先生と呼ばれると,これは素直に心地よくはありませんでした.
先生はただの二人称:you と同じ.
看護師さんや理学療法士,作業療法士の方は,基本的に医師の指示のもと施行する,となっており,否応がでも,医者が上司になっていしまうわけです.
特に看護師さんは夜間や患者さんの急変時に,ドクターコールをしなければならなりません.すごく大変な職業で,急変しているのに医者に気を使って電話をしなけらばなりません.
そういった場合に,『先生』という言葉は絶大な言葉を発するのかもしれません.そしてそれはただの二人称にほかなりません.
便利な言葉の一つです.個人として認識されていない感じがするのは私だけでしょうか?さらにこれを友達からよばれると、、、なんか変ですよね.
いつか医者を先生と呼ばず,○○さんと名前で呼ばれる日を期待する.
医者という肩書ではなく,個人としていつか認められるように○○さんと,呼ばれる日がくればいいなと私自身は思います.
友達からの年賀状を診て,先生という言葉を考えるいいきっかけになった2022年1月でした.
ぶっちゃけてしまえば,どうでもいいんですが,みなさんはどう思われるでしょうか?
当ブログでは医者の仕事や生活について説明していますので,興味のある方は読んでいただけると幸いです.
コメント
こんばんは、
患者の立場からしたら救ってくださるきっかけをくださるので
尊敬の念を込めて「先生」って呼んでいるんですよね。
立ち直る最終形態は個々人なのかと思うのですが「きっかけ」ってとても大事です。
助け導いてくれる方は「先生」なので胸を張って誇れる職業だと思いますが。。。
ご本人はそういう認識がおありではないのですね。
なお、ただの「先生」と呼んでも他の患者さんと差別化できないので、
私はどの先生もできるかぎり「〇〇先生」と苗字+先生で呼んでいます
最初はどの先生方も、びっくりした顔でこちらを見てくださいますよ
ブログを読んでいただきありがとうございます.
いろいろな人の『きっかけ』になっていれば嬉しいです.ただ医者の手術はその『きっかけ』が100%いい方向に行かないこともあり,難しいなと感じています.
それゆえ,そのうまくいかなかった人のことを考えるととても先生と呼ばれる職業とは言えないとも思うこともあります.
○○先生と呼ばれるのは,非常に嬉しいでしょうね!!ぜひ続けてください!私もそう呼ばれるように頑張ります.