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もうちょう(盲腸)の正式名称=虫垂炎,は最近聞かなくなった?

盲腸の正式名称 医学/医者関連

昔はもうちょう、もうちょうって言ってみんな手術していたなー.

もうちょうっていったいどこの臓器のことをいっているの?

子どもの頃に一度は聞いたことがあると思われる『もうちょう(盲腸)』に関する記事です.盲腸で手術して,よく右下の方に傷があった方も多いと思います.

盲腸に関して,現在消化器外科医として総合病院で実際に盲腸の手術を行っている医師が解説します.

外科医については下記に詳しく書いていますので気になる方はこちらも参考にしてみてください.

もうちょう(盲腸)の正式名称:虫垂炎は最近聞かなくなった?

お腹を押さえる男性

もうちょう(盲腸)=虫垂炎

盲腸というのは実は大腸の一部のことであって病名ではありません.もうちょうで手術したというのは,正確には『虫垂炎で手術した』が正しいです.

もうちょう(盲腸)の正式名称は,『虫垂炎』と言います.盲腸は大腸の一番入り口にある部分であり,その盲腸に虫垂とよばれるひょろっとした臓器がついています.その虫垂が腫れることで虫垂炎になります.

難しくてよくわからないよ~.

大腸や小腸の図

これは私が実際に書いた図になります.図のように,盲腸は小腸から大腸につながる部分で非常に短いです.その盲腸の下についているのが,虫垂です.この小さな虫垂に炎症が起きることで,虫垂炎,いわゆるもうちょう(盲腸)になります.

もうちょう(盲腸)は昔ほど最近は聞かなくなった?

50,60代の先輩外科医の話を聞くと,右下腹部痛で痛がっていた時は,虫垂炎だとして手術してたよ~.なんて冗談交じりに言われていました.

それほどまで数多くのもうちょうの手術を行っていた時代もあったようです.しかし現在ではCT検査の画像の鮮明さの発展,ならびにCTがどこの病院でも気軽にとれるようになったことなどから正確な診断が可能となりました.それゆえ,昔と比べるともうちょう=虫垂炎は減っているようです.

さらには虫垂炎は,昔は見つけたらすぐに手術というのが一般的でした.ただ今では一旦抗菌薬やドレナージ(膿を出す操作)を行って一度虫垂の炎症が落ち着いてから行う手術もあります.これはそちらの方が手術の難易度が下がったり,手術の創部が小さく済んだりとメリットも多いからです.こういった背景もあり,世間一般ではもうちょうも減ってきているのかもしれません.

それでもやはりもうちょうは存在し,今でも老若男女問わず,急に救急外来を受診し,緊急手術になることが多い病気です.今後も,消化器外科医である限りであう病気です.

今回はこの辺で.今後は虫垂炎の手術方法についても説明していきたいと思います.興味があるかたはぜひまたブログを読んでいただければ幸いです.

最近ではロボット手術も進んできています.

手術後の痛みや合併症などについて興味のある方はこちら.

コメント

  1. yuki より:

    こんにちは

    まさに去年、盲腸で入院して最初は抗生剤治療しました。
    翌日、CRPが激上がりして腹腔鏡で手術して直りました。
    一晩痛みに耐えて、朝、病院に行ったのですが、本当に、痛くて歩けなくて
    病院内で移動するときは車椅子を押してもらったのを思い出しました。

    医師、看護師、すべての医療従事者の方に素晴らしい対応をしていただき
    その時以来、医療従事者の皆さんに敬意を表します
    今後ともがんばって多くの患者を救っていただきたいです

    • くちゃん くちゃん より:

      いつもブログを読んでくださりありがとうございます.
      盲腸(虫垂炎)は本当に痛いですよね.多くの方がこれほどまでに痛いとは思わなかったといわれます.
      合併症等なく無事に回復されたようで何よりです.

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