前回の医師の就活の続きになります.前回は履歴書や面接など,研修医のマッチング本番に向けての内容でした.
今回は有名病院の見学についてや有名病院のメリット,倍率の高い病院のメリット,実際の研修医生活などについて解説していきます.
私自身,CBT追試になるくらい勉強していませんでした.そこから有名病院を目指しました!同じように勉強してなかったけれど有名病院や倍率の高い病院に行ってみたい!
上記のように考えている人など研修医マッチングに対して,興味がある方全てによんでいただければ幸いです.
研修医マッチング対策ブログ②~医師の就活:倍率の高い病院など~
有名病院・研修病院の見学時期
私の場合,東京の病院を受けると決めたのは医学生5年生の秋でした.部活動引退したころから,本格的に動き始めましたし,そちらに関心が向き始めたというのがあるかもしれません.
この時点で,地方から東京の有名病院を目指すには遅いのかもしれないと焦りもありました.
とにかく色んな病院をまわりにまわろう.
東京に3泊4日で行って,3つの病院を見学する.見学し終わった後は,すぐに地元に帰る.
学生時代は部活動等でお金もなく,交通費を浮かすため,東京に行くのは3-4回にできるよう病院は,前もってかなり選定しました.
結局病院見学に行けたのは,5年生の西医体後の夏休み,冬休み周辺,春休みの計3回でした.
有名病院ともなると,4年生で見学に来ている人もいました.
有名病院の研修医:4年生?早いね,熱心だね.またおいでよ.
上記のように言われていた研修医の方や上記のような対応が見て取れました.
ゆえに見学時期の早さや遅さは合否には関係ないと思われます.病院からすれば,早く見学に来たからと言ってその人が優秀かどうかはわからないし,むしろ臨床実習が始まってからの方が大切だと思います.
病院といえど『企業』であるため,やる気は買うけれど,やる気だけでは受からない.
というのが現実で,できるだけ優秀な人が欲しいというのは当然です.
見学は6年生からでもいいと思います.ただ6年生で行くからには,その病院に絶対に行きたいという熱意ややる気はもちろん,同日に来ている見学者より何とか目立ちましょう!
また見学した研修病院にお礼メールやお礼状を出すべきと,当時検索したサイトに書いてありましたが,私は一切行いませんでした.
やって損はないと思いますので,やるのはありだと思います.ただそんなお礼メールや礼状で決めてしまうわけないです.
はっきり言ってしまえばテンプレートを少しいじった内容にしかなりませんので.
自分という人となりをそこでアピールするにはなかなか難しいと考えました.
有名病院の見学は疲れる
研修医マッチング病院を見学する際に,サイトなどみたり,先輩から聞いたりして選定したはいいものの,見学しても何がいいのか?
有名・人気病院たる理由は,正直わかりませんでした.
すごいですね!さすがっすね!
そんな,さしすせそ神器で病院見学を乗り切っては,疲れたなーと思う日が続くばかりでした.
何度見学してもその病院がわかった!見えた!と思うことはやはりありませんでした.
ゆえに何度も同じ病院を見学することも意味ないなーと考えていました.
何というか完全に時間の無駄だなと思いました.
見学回数が多いほどいいと言われる病院もあるようですが,それは地方から東京を目指すにあたっては気にしてもしょうがないですし,そんな見学回数で決めるなら地元の東京の人を就職させたいと病院の経営方針がみてとれます.
結局私自身は,第一志望の病院の見学は2回,その他の病院の見学は1回しか行かないという選択にしました.
有名病院の研修医の先生との会話内容やイメージ
結局,有名病院で働いでいる研修医が,自分の病院を悪く言うことはありません.
なぜならそれ自体が自身の研修をよくないと言っているようなものだし,研修病院は実質1か所しか選べないから実体験として話せるのはその就職した病院のみになります.
私自身,就職して上記のように思ったことをよく覚えています.
だから見学に行っても研修医の先生が言う言葉は,
救急がしっかりしている,垣根が低い,プログラムがいい
そんな言葉ばかりで,どこも一緒でした.
ただ私自身も研修医時代に学生が見学に来たときは,
うちの病院はいいよ.救急の制度もしっかりしているし,いろいろ教えてもらえるよ.症例数も多いからみんなでかなり勉強できる.
と漠然としたことを言っていた.見学で聞けたことは以下の通り.
●その他のしては絶対的な『数』でしか表現できない.
👈つまり救急患者が多い,手術件数が多い,何科の患者が多いなどの数.
●あとは実績.これまでフルマッチは当たり前で,倍率も常に上位.
聞けることは一緒です.それが有名病院になればなるほど.
ただ滑り止めとして受けようとした東京の病院の一つは,この病院はやめた方がいいと言われたのを覚えています.
そんな風に言われたら,相当悪いのか,その場の自分が相当態度悪かったのかのどちらかです.
さすがに就活候補からは外しました.
マッチングの病院見学で聞いていたこと
私にしか当てはまらないかもしれませんが,CBT追試の話を必ずするようにしました.
どの病院を見学しても以下のように言われました.
CBTに落ちた同期は,,聞いたことないなー.
この質問は,恥ずかしながら聞いてよかった.①自分の学力レベルの低さの再確認ができたこと,②CBTに落ちていることが逆に印象になったこと(いい印象であったかはさておき).
CBT追試にかかっていようが,何かしらの印象を残せた方がいいと感じました.
何かしら,自分の強みや印象に残る出来事をもって病院見学に行くのがいいかもしれません.
研修医マッチング対策・研修医生活:倍率の高い病院のメリット
研修医生活を終わって思ったのは,その病院で自分のベストを出せば大きくは同期の研修医と実力は変わらないということです.
つまり大学生活での頭の良さと実臨床での頭の良さは必ずしも相関していないということです.
ただ倍率が高い病院では,以下のようなメリットがあるため,実力が付きやすい,他病院の研修医と比較して優秀になる可能性があがると考えられます.
メリット①:絶対数(患者数)
何事も実力をつけるにはある程度の経験を積める数,つまり『絶対数』が必要です.
絶対数とは例えば,救急ができるようになりたいと思うなら,救急患者が年間どの程度病院にきているのか.研修医・後期研修医の5年間をその病院で過ごすと決めていて,外科医になるのなら,手術件数がどの程度あるのかということが,大きな指標になります.
倍率の高い病院は絶対値(患者数)が間違いなく確保されています.
あとは全国の研修医が使う教科書を使い,同期や先輩が教えてくれる各科の研修情報を交換しながら合理的・効率的に研修することで,実力はつきます.
数は必ず確認しておきましょう.どんな先輩の話よりも確実でごまかすことができない指標です.
メリット②:同期の研修医が賢い
これは私個人としては非常に助かりました.座学という意味で,わからないことを聞けば何でも知っている.本当に尊敬しましたし,勉強になりました.
俗にいう意識高い系が集まってきているので,それらについて研修していけば,間違っていない研修にります.
各科のまとめや申し送りといったことをみんなで作り,スムーズに研修できるように協力していた.
これは自分同様部活ばかりしていた人が集まるばかりの研修病院ではなかったと思います.
研修医マッチング対策・研修医生活:CBT追試だった私を例に.
私のように思いっ切って東京で働いてみたい方,学力は正直自信がない方の参考になればと思います.
実際に働いてみて,同期とどう違ったかを書いてみます.
研修医生活:周囲との知識レベル
すでに書いた話の繰り返しで申し訳ないですが,同期は賢く,医学知識に関しては全く歯がたちませんでした.
私がある日ある疾患に関して得た知識を同期に話せば,
実際には見たことないけれど,すごく手が震えてるの?風貌は?
と,実臨床で経験したことがないのに,その疾患の特徴がたくさん出てくるのです.
私がその日に得た知識は,同期からすれば見たことはないがすでに知っている知識でした.
賢いなーと思いながら,勉強する機会が増えたように思います.
特に外科を研修していた時に,同期が
あの人,筋ジストロフィーじゃないかと思うんだよね.
といって実際に筋ジストロフィーだった時は鳥肌ものでした.
上級医の外科医も一人もわからず,本当に研修医一人が判断し,診断した一例でした.
この同期と一緒に研修して外科医になった私ですが,今言われても絶対に筋ジストロフィーはわからない自信があります.(笑)
研修医生活:手技レベル
手技に関しては,全く変わりません.
これが自分が有名病院の研修生活のなかで落ちこぼれにならずにすんだ理由の一つであると思います.
手技に限らずですが,点滴の名前や薬の名前などもみんな初めてみるため,それに関しては同じ土俵です.特に差を感じることなく,同じように階段を上っていけたと思います.
ただここで差がつくなと感じたのは,頭の中で展開する内科的な知識を論理的に考えるのはもちろん,この手技に関しても論理的に進めることができるかが,手技の上達になると思います.
例えばどうしてその針の角度で指すのか?どうすれば時間が短縮できるか?無駄な動きがなかったか?そういったことを論理的に順序だてて考えることです.
外科医などの外科系に進みたい方は特に重要な考え方かなと思います.
研修医生活: 飲みレベル
学生時代の飲み会習慣が役に立って,たくさん飲みにはいきました.
日々少し働きやすくなったかなとは思ったけれど,あんまり関係ありませんでした.
飲みにケーションは確かにあったら少しは働きやすくはなるけれど,それにそこまで価値は感じない,といった印象です.
研修医マッチング対策ブログ②~医師の就活のまとめ~
研修医マッチング対策の続きを解説させていただきました.以下にまとめます.
研修病院の見学は行かなくてはならないが,4年生からなど早期に行く必要はない.病院見学に行っても正直わからない.自分自身のエピソードをもって見学に臨む.
倍率が高い病院は同期が賢い.同期に助けてもらえるのと患者数が多いため,学習機会が約束される.それについていけばそれなりに実力はつく.
学力がなくても,実際に働くのはみな初めて.ついていけないことは決してない.
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